出生前診断で何がわかる?NIPT・羊水検査・クアトロテスト・コンバインド検査の違いをわかりやすく解説
出生前診断について調べ始めると、
- 出生前診断では何がわかるの?
- ダウン症以外も調べられる?
- 発達障害や自閉症もわかるの?
- どの検査を受ければいいの?
このような疑問を持つ方は少なくありません。
結論から言うと、出生前診断でわかることは検査の種類によって大きく異なります。
また、出生前診断は「すべての病気がわかる検査」ではありません。
この記事では、
- 出生前診断でわかること
- 出生前診断ではわからないこと
- 各検査の違い
- 検査を理解するうえで大切なポイント
について、できるだけわかりやすく解説します。
まずは出生前診断全体について知りたい方はこちら
出生前診断とは?
出生前診断とは、赤ちゃんがお腹の中にいる間に、染色体異常や一部の先天性疾患の可能性を調べる検査です。
検査にはいくつか種類があり、それぞれ調べられる内容や精度が異なります。
- NIPT(新型出生前診断)
- 羊水検査
- コンバインド検査
- クアトロテスト
そのため、「出生前診断」と一言で言っても、どの検査を指すかによって分かることは変わります。
出生前診断でわかること
出生前診断では、主に染色体の数や構造に関わる異常について調べます。
代表的なものは次のとおりです。
① ダウン症候群(21トリソミー)
最もよく知られている染色体異常です。
21番染色体が通常より1本多いことで起こり、
- 発達の遅れ
- 心疾患
- 筋力低下
などを伴うことがあります。
② エドワーズ症候群(18トリソミー)
18番染色体が1本多い状態です。
重い先天性疾患を伴うことが多く、生まれてからの医療的サポートが必要になるケースが少なくありません。
③ パトウ症候群(13トリソミー)
13番染色体が1本多い状態で、心臓や脳などに重い先天性異常を伴うことがあります。
NIPTでは、この3つの染色体異常を中心に調べることが一般的です。
羊水検査ではさらに詳しいことがわかる
羊水検査は確定的検査であり、NIPTよりも詳しく染色体を調べることができます。
染色体を直接解析するため、
- 21トリソミー(ダウン症候群)
- 18トリソミー(エドワーズ症候群)
- 13トリソミー(パトウ症候群)
- 性染色体異常
- 一部の染色体構造異常
などを診断することが可能です。
そのため、NIPTで陽性だった場合の確定診断として羊水検査が行われることがあります。
羊水検査について詳しく知りたい方はこちら
出生前診断でわかるのは「一部の病気」です
ここで大切なのは、
出生前診断で調べられる病気は限られているということです。
特に多くの出生前診断は、染色体異常を中心に調べる検査であり、赤ちゃんに起こり得るすべての病気を調べられるわけではありません。
そのため、「異常なし」という結果であっても、すべての疾患が否定されるわけではないことを理解しておくことが大切です。
出生前診断ではわからないこと
出生前診断は非常に有用な検査ですが、すべての病気や障害が分かるわけではありません。
「異常なし」という結果は、検査で調べた項目について異常が見つからなかったという意味であり、「すべて健康であること」を保証するものではありません。
では、具体的に何が分からないのでしょうか。
① 発達障害(自閉スペクトラム症・ADHDなど)
現在の出生前診断では、
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 学習障害(LD)
などの発達障害は分かりません。
これらは染色体異常だけでなく、
- 複数の遺伝子
- 環境要因
- 出生後の発達
などが複雑に関係すると考えられており、現在の出生前診断では判定することはできません。
② 知的発達や性格
出生前診断では、
- 知能指数(IQ)
- 運動能力
- 性格
- 将来の能力
なども分かりません。
赤ちゃんの発達には、生まれ持った要素だけでなく、生まれた後の環境や経験も大きく影響します。
③ 多くの先天性疾患
先天性疾患は数千種類以上あると言われています。
出生前診断で調べられるのは、その中の一部です。
そのため、
- 心臓の病気
- 代謝異常
- 免疫の病気
- まれな遺伝性疾患
など、多くの病気は出生前診断だけでは分からないことがあります。
④ 出生後に初めて分かる病気
出生後の成長とともに分かる病気も少なくありません。
例えば、
- アレルギー
- てんかん
- 精神疾患
- 発達の遅れ
などは、妊娠中の検査だけで診断することはできません。
性別はわかる?
検査によっては胎児の性別が分かる場合があります。
| 検査 | 性別判定 |
|---|---|
| NIPT | 施設によって可能 |
| 羊水検査 | 染色体検査で判明 |
| コンバインド検査 | わからない |
| クアトロテスト | わからない |
ただし、日本では倫理的な観点から、希望しても性別を伝えない医療機関もあります。
検査ごとの「わかること」の違い
| 検査 | 主にわかること | 確定診断 |
|---|---|---|
| NIPT | 21・18・13トリソミーなど | × |
| コンバインド検査 | 染色体異常の可能性 | × |
| クアトロテスト | 染色体異常の可能性 | × |
| 羊水検査 | 染色体異常・一部の染色体構造異常 | 〇 |
このように、それぞれの検査には役割が異なります。
「どの検査が一番優れている」というわけではなく、ご自身が何を知りたいのかによって選択肢が変わります。
検査ごとの違いを詳しく知りたい方はこちら
大切なのは「何がわかるか」と同時に「何がわからないか」を知ること
出生前診断を考えるうえでは、
- 検査で何が分かるのか
- 何は分からないのか
- 結果をどのように受け止めるのか
を事前に理解しておくことがとても重要です。
十分な情報を得たうえで、ご自身やご家族が納得できる選択をすることが、後悔の少ない出生前診断につながります。
まとめ
出生前診断は、お腹の赤ちゃんの染色体異常や一部の先天性疾患について調べることができる検査です。
一方で、
- 発達障害
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- ADHD
- 知的発達の程度
- 多くの先天性疾患
などは現在の出生前診断では分かりません。
そのため、
「異常なし=すべての病気がない」という意味ではないことを理解しておくことが大切です。
出生前診断を受けるかどうかだけではなく、
どの検査で何が分かり、何が分からないのかを知ることが、後悔の少ない選択につながります。
▼ 出生前診断についてさらに詳しく知りたい方はこちら
よくある質問(FAQ)
出生前診断ではダウン症以外もわかりますか?
はい。検査の種類によって異なりますが、ダウン症候群(21トリソミー)のほか、18トリソミーや13トリソミー、性染色体異常などを調べられる検査があります。羊水検査ではさらに詳しい染色体異常を調べることができます。
出生前診断で発達障害はわかりますか?
いいえ。自閉スペクトラム症(ASD)やADHDなどの発達障害は、現在の出生前診断では診断できません。
出生前診断で奇形はわかりますか?
超音波検査で確認できる形態異常はありますが、すべての先天性疾患や奇形を見つけられるわけではありません。
出生前診断で性別はわかりますか?
NIPTや羊水検査では性別が判明することがあります。ただし、医療機関の方針によっては性別を伝えない場合もあります。
「異常なし」なら安心していいですか?
検査で調べた項目について異常が認められなかったという結果です。発達障害や出生後に分かる病気など、出生前診断では分からない疾患もあります。
出生前診断について迷われている方へ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
出生前診断は、
「受ける・受けない」だけでなく、「何が分かる検査なのか」を理解することがとても大切です。
✔ 検査の違いがよく分からない
✔ 自分にはどの検査が合っているのか知りたい
✔ 妊娠中の過ごし方も含めて相談したい
そのような方も多く来院されています。
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