採卵〜移植まで
私達は年間数千もの周期に携わらせて頂いております。
クリニックの特色や体外受精のポイントなど、経験の中で学んで参りました。
鍼灸師の立場から、あなたの治療を後押しして参ります。

採卵周期に考える事

卵胞は約150日以上前から育つ

卵胞の成長を紐解いてみましょう。実は卵胞は"原始卵胞"といって卵胞に成る前段階があります。それは採卵される約150日前で、その頃から卵胞の成長は始まっているのです。150日前から貴方はどんな生活をしていましたか?実はその頃から採卵への準備期間は始まっているのです。
画像引用:データから考える不妊症・不妊症治療

卵子に良いことって?

サプリメントやよもぎ蒸し、整体など"卵胞に良い"と謳う物が世の中には沢山存在します。しかし、残念ながらそのほとんどにはエビデンス(化学的根拠)が無いものが多く紛れています。しかし、鍼灸は遠い昔から"鍼灸のよる不妊治療"が行われており、近年ではより高いレベルのエビデンスも研究され発表されています。つまり、より根拠ある療法のもと卵子へのアプローチをする為には鍼灸は必要不可欠な存在なのです。

東洋医学からお体の土台作り

クリニックで採卵に臨むにあたり、卵を育てるお薬が処方されます。そのお薬の力で卵胞を育て、その患者様に出来るベストな採卵をクリニックでは目指しています。しかし、同じ薬の種類や量でも人それぞれ"結果"は異なります。「あの人はすぐに上手くいったのになんで私は…」と疑問に思うかもしれません。血液検査の結果や年齢が同じでも、"体質"が異なれば、結果は変わります。東洋医学はその"体質"を変えられるきっかけになる一つの手段です。

西洋医学の側面から卵巣刺激

現在、鍼灸による"卵質の改善"で最もエビデンス(科学的根拠)の高い施術方法は陰部神経へのパルス療法です。臀部から鍼をして、陰部神経(生殖器にまつわる神経)へのアプローチをおこないます。この施術方法は患者様への負担も大きいため、対象者を絞っています。・38歳以上・反復する採卵の失敗・反復する移植の失敗・低AMHなどに該当する場合、施術させて頂きARTのサポートをしています。

栄養面の体質管理

『妊活に良い』食事からのサポート※を当院では行なっております。食事は妊活をより成功へ導く一番身近な存在であると考えています。タンパク質や亜鉛、ビタミン、オメガ3、DHA-EPA、糖質制限、など、いったい何が正解なのでしょうか。何をどうやって食事をすれば良いか分からないと言った意見を多く耳にします。私達はより生活に密着しマンツーマンによる食事指導ができる治療院です。※希望者で別途料金が必要です。

移植周期に考える事

移植周期に入ったら

移植時期に大切である"内膜の形成"は生理1日目からスタートしています。『赤ちゃんを迎えてあげるため、暖かくてフカフカのお布団を作って待っててあげよう。』と、あなたの卵巣は子宮内膜を厚く形成し着床できる準備を始めています。しかし、卵巣機能の低下や子宮内の血行不良(冷え)により上手に内膜を形成できず、薄くなっている場合もあります。移植前から準備をする事により内膜の厚みの改善への寄与が期待できるのです。

移植日当日の鍼灸

移植日当日に鍼灸施術を受けることにより、着床率は10%〜20%の向上が見られます。年齢や移植する胚の状況にもよりますが、ベストなお体の状態で卵を迎える準備をしましょう。着床率の向上が見られる要因として、・子宮血行の促進・子宮内内膜接着物質の正常化・ストレスの緩和などが考えられます。当院でも移植結果の統計データを集積し、日々の臨床に生かしております。

判定後も安定期までは鍼灸を推奨

当院では陽性判定後、妊娠15週までの通院を推奨しております。胚移植は初回の妊娠判定で治療が終了するわけではありません。「胎嚢の確認をして…」「心拍の確認をして…」「その後も大きく育って…」と乗り越えるべき不安が山積みでなのです。ようやく安心できる安定期まで、お体をサポートしてまいります。

私達の実績

2020年1月〜2021年6月までの18ヶ月間のデータです。当グループの患者様が行った体外受精(胚移植)の結果を取りまとめたデータです。

胚移植1周期あたりの妊娠率を当院と全国平均で比較.1

※胚盤胞・初期胚を含む全ての移植
※当院の症例数は333例
※妊娠は胎嚢を確認出来た場合のみカウントしております。
※全国平均はARTデータブック:公益社団法人日本産科婦人科学会から算出

コメント:各年齢、いずれの妊娠率も全国平均を上回っております。鍼灸により子宮内環境が整いARTの成功率向上に寄与していると考えられます。

胚移植1周期あたりの妊娠率を当院と全国平均で比較.2

※当院は良好胚群と全ての胚群で分離して比較
※全胚群の症例数は333例
※うち良好胚は147例
※良胚群とは3以下及びCA/CB/CCを除いた胚を指します。(胚盤胞のみ)
※妊娠は胎嚢を確認出来た場合のみカウントしております。
※全国平均はARTデータブック:公益社団法人日本産科婦人科学会から算出

コメント:良好胚群の成績は飛躍して好ましい数値です。採卵で良好胚を採ることは妊娠率に直結しますので、採卵前から採卵に向けてお体を整える事が重要だと考えています。

患者様の声

2回目の胚移植前から通い始めましたが、初回の採卵は胚のグレードも悪かったため、2度目の採卵を見据えて藁にもすがる想いで受診しました。重度な冷え性だったので体質改善しつつ、不妊治療のスケジュールに合わせて、最適な治療をしていただけるので、合っていたように感じます。おかげさまで、2度目の採卵は良好胚が3つもでき、1つ目の胚盤胞で妊娠することができました。【30代】

不妊治療を4年間続けてきて、顕微授精での移植5回が終わった時に伺いました。もう年齢的にも最後にしようと、やり残しがないよう鍼灸治療を始めました。仕事をしながらの治療が続き、移植後に出勤する事がありました。精神的にも肉体的にも限界を感じていましたが、身体づくりの大切さを教えて頂き、通い始めて半年後の移植で妊娠する事ができました。【40代】

日程が合わず鍼灸に通えなかった1回目の採卵より、予定を合わせて数回通ったあとの2回目の採卵結果がとても良かったことです。採卵数も凍結できた卵の数も、2回目は1回目の倍以上となり、鍼灸に通ったことや治療の際に食べ物や生活のアドバイスをもらって実践した、ことが結果に出たのかもしれない、と強く実感しました。【30代】

最後に

当院がサポートしたARTの成績(上記グラフ記載)は目を見張るような物では無く、少し慎ましい数値だと感じる方もいらっしゃるのでは無いでしょうか。当院で集計された数値は、日本の研究機関や海外の大学で行われた検証の成績と近しい数値となっております。
世の中には、「妊娠率80%」や「95%がご懐妊」「着床率が50%上がる」など、数字の文を利用した謳い文句で溢れております。しかし、本当に通院される95%の患者様が妊娠をするのであれば、病院や高度生殖医療は必要なくなるのでは?と考えてしまいます。それだけ妊活や生殖鍼灸はビジネス色が強くなり、本当の在り方が失われ、今まで築き上げた信頼を失墜しまうのでは無いかと懸念しております。
私達は、常に正直で本来の生殖鍼灸の在り方にこだわり、生殖医療と生殖医療に臨む患者様をサポートし、少子化社会の改善に尽力したいと考えております。もし、現在の不妊治療でお困りでしたら、お気軽にご相談下さい。