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卵子の質を悪くする嗜好品3選

不妊治療中の方なら必ず気になる卵子の質。SNSやネットで良く目にするワードですね。この卵子の質は、受精卵の良し悪しに直結しており、妊娠・出産に至るまでの鍵であることは間違いありません。
特に、体外受精であれば移植よりも採卵の方がずっと大切で、採卵前の準備によって、どれくらい卵子の質を高められるかが移植の結果を大きく左右します。

ただ、卵質を高めたい気持ちは分かりますが、それよりも卵質を悪くするものを知っておいた方が見直しに良いため、今回は卵質を悪くする食べ物についてお伝えしていきます。

卵質を悪くする嗜好品3選

  1. 精製糖
  2. 人工甘味料
  3. アルコール

以上の3つが今回のテーマです。以下、それぞれの解説をしていきます。

参考⇒亀田IVF幕張クリニック~Blog~ 卵子の質を悪くする嗜好品

精製糖

まず、代表的な卵質を悪くする食べ物として、精製糖(上白糖)が挙げられます。
卵質が悪くなる理由は、糖分の代謝と分泌されるホルモンに関連しています。
PCOSの方、朝食を食べない・または少ない方、お菓子を良く食べてしまう方は、要注意です。

  • インスリン抵抗性の増加

精製糖を多く摂取すると血糖値が急上昇し、それに伴ってインスリンが大量に分泌されます。
インスリンが常に高い状態が続くと、インスリンに対して抵抗性を持つようになり、反応が悪くなります。
インスリンは細胞に栄養を届ける働きを担うため、届けたい場所に栄養が届かなくなり、卵子が育たず卵質が低下します。

  • 糖化ストレスの増加

精製糖を過剰に摂取すると、余分な糖は体内でタンパク質と結びつき(糖化)、糖化タンパクが発生します。
糖化タンパクは、最終的に終末糖化産物(AGEs)と呼ばれる正しい代謝を阻害(老化)する物質を生み出します。

AGEsは全身に悪影響を及ぼしますが、代謝の盛んな生殖部位は特に影響を受けやすい部位であり、卵巣周囲の細胞や卵子にもダメージを与え、卵子の質が低下する原因となります。

少し詳しく⇒ヘルシスト 老化を促進させる「糖化」から身を守る糖質の適切な摂り方

  • 炎症の促進

先述のAGEsは炎症性のホルモンを分泌する為、過剰になると全身の慢性炎症を引き起こします。
糖分が常に多い状態が続くと、最終的に脂肪細胞に取り込まれますが、悪いことに脂肪細胞からさらに炎症性ホルモンが分泌されます。
この悪循環が繰り返されることで、卵巣や子宮の機能低下、さらに卵質の低下へ繋がります。

  • 体脂肪増加とホルモンバランスへの影響

過剰摂取された糖分は最終的に脂肪細胞に取り込まれ、体脂肪増加に繋がります。

体脂肪が増えてしまうとインスリン抵抗性が高まり、先述のようにホルモンバランスを崩します。体脂肪の増加は、インスリン抵抗性が高まるだけでなく、炎症性のホルモンも増えてしまうため、卵巣や子宮の機能低下と卵質の低下に直結します。卵質低下だけでなく、排卵まで時間が掛かるケースもあります。

体重は標準~低体重でも、筋肉量が少なく、甘いものを好んで食べる女性はこのタイプに該当することが多く注意しましょう。

参考⇒順天堂大学 ニュース&イベント ~痩せていても肥満者と同様の体質~

日常生活から全てを抜くことは難しいため、精製糖の過剰摂取は控えるようにしましょう。
また、朝食を抜くことはホルモンの乱れに繋がり、注意をしていても悪化しやすい傾向にあります。タンパク質を多めに、ベジファーストなど血糖値の急上昇を防ぐ工夫などを行いながら、規則正しい食生活で改善が可能です。

人工甘味料

精製糖がダメでも甘いものは食べたい。そんな時につい手が伸びてしまうカロリーゼロの食品や低カロリー食品、ジュースやお菓子に多く含まれます。
しかし、卵質に対しては精製糖より多くの影響を与えてしまうため、注意が必要です。


  1. スクラロース
  2. アスパルテーム
  3. アセスルファムK
  4. サッカリン

  • 腸内細菌のバランスを乱す

POINT⇒人工甘味料は腸内細菌のバランスを乱す

一部の研究では、人工甘味料が腸内細菌のバランスを乱すことが示されています。
腸内細菌は、腸内での発酵過程で短鎖脂肪酸(SCFA)という物質を生成し、これが体内のエネルギー代謝や炎症抑制に重要な役割を果たします。
しかし、アスパルテームやスクラロースのような人工甘味料は、腸内細菌に悪影響を与え、SCFAの生成を阻害します。その結果、エネルギー代謝が悪化します。

  • 腸内細菌への影響

腸内細菌には、善玉菌と悪玉菌があり、バランスが保たれていることが健康に重要です。
人工甘味料は、ビフィズス菌やラクトバチルス菌などの善玉菌を減少させ、クロストリジウム菌などの悪玉菌を増やす報告があります。これにより、腸内環境が悪化し、消化や代謝、免疫機能に悪影響を及ぼします。

腸内細菌ですので子宮と直接行き来することはありませんが、間接的に免疫が落ちると子宮環境を良くする善玉菌が少なくなります。子宮内のラクトバチルス菌は少なくなると着床不全に繋がるため、卵質低下と着床の両面で注意が必要です。

  • リポ多糖(LPS)の増加

腸内細菌のバランスが崩れると、リポ多糖(LPS)と呼ばれる物質が腸壁を通過しやすくなります。
LPSは強い炎症を引き起こす物質で、代謝や免疫系に多大なダメージを与えます。代謝が盛んな子宮・卵巣にも強い悪影響があり、卵質が低下します。

安全な甘味料は、キシリトール、エリスリトール、甘草です。普段の料理に使うときは、はちみつや羅漢果がお勧めです。

アルコール

アルコールも卵質を悪くする代表です。
顔や身体が赤くなる、気持ち悪くなる、眠くなるなど酔いやすい方は特に影響を受けやすいため、注意が必要です。

  • 酸化ストレスの増加

アルコールの代謝により体内で活性酸素が増加します。
これにより、細胞が酸化ストレスを受け、卵子のDNAや細胞膜が損傷しやすくなります。卵子は特に酸化ストレスに弱いため、卵質の低下に繋がります。

  • ホルモンバランスの乱れ

アルコールはエストロゲンやプロゲステロンの分泌に直接影響を与え、女性ホルモンバランスを乱します。
これらのホルモンは排卵や卵子の成熟に重要な役割を果たすため、乱れることで卵質の低下を招きます。

  • 葉酸や他の重要な栄養素の吸収妨害

アルコールは、葉酸など卵子の健康に必要な栄養素の吸収を阻害することがあります。
これにより、卵子が正常に発達・成熟するための栄養が不足し、卵質が低下します。

終わりに

身近に卵質を悪くする嗜好品は日常に溢れています。手に取る食品は、成分表を確認する習慣をつけて対策を図りましょう。

鈴木大樹
東京鍼灸京橋
新橋・日本橋エリアで働く鍼灸師です。PCOSや食生活改善に強みあり。授かりに向けて施術を行いつつ、不妊に悩む方に向けて妊活コラムを書いています。

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