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卵子凍結の費用・メリット&デメリットについて

最近、良く耳にする卵子凍結。仕事のタスクが過多であったり、キャリアがあるなど、仕事に勤しむ方ほど「どうなのかな?」と悩む方が多いと聞きます。
実際、会社の同僚で卵子凍結をした方がいる、友人がやっていたなど、意外と身近な方が行っていたことがきっかけで、「私もやってみようかな?」と検討される方が多いようです。ただ、検討しようにも、一番は費用の問題であったり、治療の手順や薬の使用、メリット&デメリット等々、分からないことで溢れているかと思います。

そこで、卵子凍結について参考になればと思い記述をしていきます。

卵子凍結の費用

まず、費用について。
卵子凍結の費用は基本的に全て自費になります。金額はクリニックによって大きく異なり、採卵前に行う刺激と、凍結の個数によって金額に差が出やすい傾向があります。

金額は差は、

  1. 採卵(卵子を採取する手術)
  2. 凍結・保管

上記によって大別され、それぞれ20万~30万円程度、合計40~60万円程度が平均的です。

また、凍結・保管については卵子1個あたりの算出が一般的ですが、何個凍結・保管しても一律というパック料金を提示しているクリニックもあります。このあたりが金額に差が付きやすく、クリニックを選ぶ上で決め手の一つになります。

【刺激方法】

刺激とは、採卵の前に卵胞の生育を促すもので、薬の種類と量で調整を行います。
刺激方法はクリニックの方針によって個性があり、刺激方法については大きく分けて低刺激か高刺激に分けられます。

まず、通院の日程はおおよそ以下のようになり、おおよそ採卵周期は2週の間に3~4回の通院が必要になります。


1⃣生理3日目 ⇒ 2⃣生理8~10日目 ⇒ 3⃣生理12日目 ⇒ 4⃣生理14~15日目(採卵日)


薬を使用する期間はどちらも1⃣~3⃣の間です。(以下参考例)

・低刺激⇒生理3日目~5日間の服用+3⃣のあたりで点鼻薬…代表例:加藤レディースクリニック
・高刺激⇒生理3日目~5日間服用+自己注射+3⃣のあたりで自己注射…代表例:六本木レディースクリニック

・1⃣~2⃣の間

  • 服用薬⇒クロミッド、レトロゾール等
  • 自己注射⇒ゴナールエフ、フェリングなどHMG注射等

・3⃣の時期

  • 点鼻薬⇒ブスレキュア等
  • 自己注射⇒HCG注射、オビドレル等

刺激量が多く、使用する薬が多い程、薬の費用+採卵ができる卵子も増えることが多いため、費用は高くなる傾向があります。

【凍結】

凍結とは、名前の通り採卵した卵子を凍らせることです。
最近はガラス化法が主流で、採卵を行ったあと、取り出した卵子を凍結液に浸して水分を抜いてから超高速で凍結を行います。そうすると固体と液体の中間の状態になり、状態を維持したまま長期保存が可能になります。クリニックでは、この凍結した卵子を液体窒素の入ったタンクで保管をしており、凍結できた卵子の数によって費用に影響が出てきます。

以下のリンク中央部あたりに年齢と身長体重、ピルの服用など簡易的に入力することで1回の採卵で何個くらい卵子を凍結できるか、卵子凍結の費用はどれくらいかかるのかを算出できるシミュレーションツールがありましたので、お試し頂けたら概算が分かると思います。

参照 亀田IVF幕張~Blog~ ⇒ノンメディカルな卵子凍結の開始について

【助成金について】

東京都では、東京都にお住まいの18歳~39歳の女性対象に卵子凍結の助成を行っています。(採卵を行う日が39歳未満であることが条件)
説明会へ参加するなど条件はいくつかありますが、卵子凍結を行った年度は最大20万円の助成、その後、調査に対して5年間対応すると、1年で2万円、合計30万円が助成されます。

以下抜粋

  1. 都が開催する、卵子凍結の正しい知識を持っていただくための説明会へ参加すること
  2. 説明会への参加を申し込んだ日から都に助成金を申請する日までの間、継続して都内に住民登録をしていること
  3. 説明会に参加した後、都が指定する登録医療機関において採卵準備のための投薬を開始すること
  4. 未受精卵子の採卵又は凍結後に都が実施する調査に協力すること
  5. 凍結卵子の売買、譲渡その他第三者への提供はいかなる場合も行わないこと、また、海外への移送は行わないこと
  6. 卵子凍結後も都の実施する調査に対し、継続的に(最大5年間)回答すること

引用⇒東京都ホームページ 卵子凍結に係る費用等 助成開始

メリット&デメリットについて

【メリット】

卵子凍結を行う上で最大のメリットは、若い状態(質の高い)卵子をそのまま維持ができることです。
妊孕率(妊娠できる力)は20代が最大で、徐々に低下していき、35歳を期に低下を始め、40代に入ると大幅に低下していきます。理由は、卵子は新しく作られる細胞ではなく、生まれた時から蓄えていた細胞で、28歳頃が成熟して最も妊娠のしやすい時期と言われます。しかし、卵子も年齢と共に徐々に年を重ねるため、力が弱っていきます。ですので、卵子凍結を行う年齢は早い方がより良いと言われています。

また、卵子凍結を行ったあとのライフプランは以下のような流れになります。


1⃣採卵 ⇒ 2⃣凍結保存 ⇒ 3⃣パートナー確定 ⇒ 4⃣融解 ⇒ 5⃣受精 ⇒ 6⃣培養 ⇒ 7⃣移植 → 8⃣妊娠


卵子凍結を行った年齢と、最終的に妊娠に至った割合(卵子が10個取れた仮定)が、

  • 30歳以下・・・80%程度
  • 31〜34歳・・・75%程度
  • 35〜37歳・・・53%程度
  • 38〜40歳・・・30%程度
  • 41歳以上・・・20%以下

この数値がクリニックがなるべく若い年齢で卵子凍結を行った方が良いと提唱する理由です。しかし、出生率(赤ちゃんが生まれる確率)は卵子1個あたり5%程度とも言われるため、理想は10個以上~できれば20個以上の未受精卵を凍結保存しておくことが望ましいと言われています。

【デメリット】

卵子凍結のデメリットは、からなずしも妊娠ができるとは限らないことです。
せっかく質の高い卵子が凍結できていても、あくまで確率が高いだけであって、100%妊娠・出産に至れるという保証はありません。その理由の1つとして受精をさせる前のハードルが高いことが挙げられます。一般的に行われている体外受精は、受精をさせた後、ある程度成長させた状態で凍結します。成長している分、生存率が高いと言われていて融解をした際の生存率は99%になります。それに比べて卵子凍結の場合、

  1. 融解をしなければ受精をさせることができないこと
  2. 融解をした段階で細胞が壊れてしまうリスクが受精卵凍結よりも高いこと
  3. 顕微授精の一択

など、いくつかの問題が挙げられます。しかし、このハードルと比べると、年齢を重ねてからスタートを切った体外受精の方が遥かに高いハードルですので、卵子凍結は有用であることは間違いないです。

他には、パートナーとの間で受精をさせるとなった場合、卵子凍結を行ったクリニックにて受精・培養・移植も行うことが条件となり、パートナーができてからクリニックを選択することができません。また、保険適応ではなく、培養・移植費用等が自費になることもデメリットに挙げられます。ただし、東京都にお住まいの方でしたら、移植1回あたり最大25万円の助成があるので比較的負担は抑えることができます。詳しくは東京都ホームページを参照ください。

終わりに

忙しい毎日はどうしても仕事が優先になりがちですね。でも、ご自身の身体をないがしろにしていませんか?仕事よりも振り返った時に後悔のないことが、人生では大切かと思います。卵子凍結を検討されている方の参考になればと思います。

鈴木大樹
東京鍼灸京橋
新橋・日本橋エリアで働く鍼灸師です。PCOSや食生活改善に強みあり。授かりに向けて施術を行いつつ、不妊に悩む方に向けて妊活コラムを書いています。

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