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精子の数・運動率・奇形率とは?精液検査の見方を解説

精子の数・運動率・奇形率とは?精液検査の見方をわかりやすく解説

男性不妊の検査で最初に行われることが多いのが精液検査です。

検査結果を見ると、

  • 精子の数が少ないと言われた
  • 運動率が低い
  • 奇形率が高い
  • この数値で妊娠できるの?

など、不安になる方も少なくありません。

しかし、精液検査では1つの数字だけで男性側の妊娠しやすさを判断することはできません。

精子の濃度・総精子数・運動率・形態などを総合的に見ることが大切です。

▶ 男性不妊について基礎から知りたい方へ

男性不妊の原因や検査について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

男性不妊とは?原因・検査・治療について


精液検査では何を調べる?

精液検査では、採取した精液を顕微鏡などで調べ、精子の状態を確認します。

代表的な項目には、

  • 精液量
  • 精子濃度
  • 総精子数
  • 運動率
  • 前進運動率
  • 精子の形態(正常形態率)

などがあります。

これらの項目を組み合わせて、精子がどのくらい存在し、どの程度動き、どのような形をしているのかを確認します。

精液検査で大切なこと

「数」「動き」「形」の3つを総合的に見ること。


① 精液量とは?

精液量とは、射精された精液そのものの量です。

精液の中に精子が含まれているため、精液量が少ない場合には、精子を運ぶ液体の量も少なくなります。

ただし、精液量が少ない=精子の状態が悪いとは限りません。

精液量と精子濃度は別の項目です。

精液量が変化する要因

  • 禁欲期間
  • 水分状態
  • 射精頻度
  • 前立腺や精嚢などの状態
  • 採取時の条件

そのため、1回の検査結果だけで判断するのではなく、検査条件も含めて考えることが重要です。


② 精子濃度とは?「精子の数」の基本

精子濃度とは、精液1mLあたりにどのくらいの精子が存在するかを示す数値です。

一般的に「精子の数が少ない」と言われた場合、この精子濃度を指していることがあります。

ただし、ここで注意したいのが、

「精子濃度」と「精子の総数」は同じではない

ということです。

精子濃度と総精子数の違い

例えば、精子濃度が高くても精液量が少なければ、精液全体に含まれる精子の数はそれほど多くないことがあります。

反対に、精子濃度がそれほど高くなくても精液量が多ければ、総精子数が保たれている場合があります。

▶ つまり

「1mLあたり何匹いるか」だけでなく、「全部で何匹いるか」も見る必要があります。


③ 総精子数とは?

総精子数とは、射精された精液全体に含まれる精子の数です。

大まかに考えると、

精子濃度 × 精液量 = 総精子数

となります。

そのため、精子濃度だけを見るよりも、総精子数まで確認することで、より全体的な精子の状態を把握できます。

さらに、ここから「実際に動いている精子がどのくらいいるのか」を見るために、運動率が重要になります。


④ 精子の運動率とは?

運動率とは、精液中に存在する精子のうち、動いている精子がどのくらいいるかを示す割合です。

精子は卵子まで移動する必要があるため、運動性は自然妊娠において重要な要素の一つです。

ただし、運動率も「高ければ高いほど必ず妊娠する」という単純なものではありません。

運動率には種類がある

精子の運動性は、単純に「動いている・動いていない」だけではなく、動き方も評価されます。

  • 前進して動く精子
  • その場で動く精子
  • 動いていない精子

特に重要なのが前進運動精子です。

前進運動とは、精子が前方向へ進むように動いている状態を指します。

卵子まで到達するためには、単に動いているだけではなく、前へ進む能力も重要になります。


⑤ 前進運動率とは?

前進運動率とは、精子の中で前方向へ進む運動をしている精子の割合です。

例えば、精子がその場でクルクル回っているだけであれば、「動いている」ものの、卵子へ向かって進む能力は十分ではありません。

そのため、

「運動率」と「前進運動率」は分けて考える

ことが大切です。

男性不妊では「動いているか」だけではなく、

「前に進める精子がどのくらいいるか」

という視点も重要です。


精子の数が少ない=妊娠できない?

ここは、精液検査を受けた方にぜひ知っておいてほしいポイントです。

精子の数が少ないからといって、妊娠できないと決まったわけではありません。

自然妊娠では、精子の数や運動性が妊娠しやすさに関係しますが、妊娠には、

  • 女性側の年齢
  • 排卵の状態
  • 卵管の状態
  • 卵子の状態
  • 精子の状態
  • 性交のタイミング

など、さまざまな要素が関係します。

また、体外受精や顕微授精では、精子の数が少ない場合でも治療方法を選択できるケースがあります。

そのため、精液検査の数字だけを見て「もう妊娠できない」と考える必要はありません。


精液検査は1回だけで判断しない

精液検査でもう一つ重要なのが、検査結果には変動があるということです。

精子の状態は、

  • 発熱や体調不良
  • 睡眠不足
  • 強いストレス
  • 飲酒
  • 喫煙
  • 禁欲期間
  • 採取時の条件

などによって変化することがあります。

そのため、一度だけ数値が悪かったからといって、それがその人の「固定された精子の状態」とは限りません。

医療機関では必要に応じて再検査を行い、複数回の結果を見ながら判断します。


精子の「奇形率」とは?

精液検査では、精子の形についても確認します。

一般的に「奇形率」と呼ばれることがありますが、実際の検査では正常形態率として評価されることがあります。

精子の頭部・中片部・尾部などの形態を確認し、正常な形態を持つ精子がどの程度存在するかを調べます。

ここで大切なのは、

「奇形率が高い=妊娠できない」

ではないということです。

精子はもともと形にばらつきがあり、正常な形態の精子が一定割合存在することが重要になります。


正常形態率はどのくらいあればいい?

正常形態率は、精子の形態を評価する項目です。

「奇形率」という言葉だけを見ると、少しでも形が違う精子が多いと妊娠できないように感じてしまいますが、実際には正常な形態の精子がどの程度存在するかを評価します。

精子はもともと形にばらつきがあるため、すべての精子が正常な形をしている必要はありません。

また、精液検査ではWHOの基準値が参考にされますが、基準値を上回っていれば妊娠でき、下回っていれば妊娠できないという意味ではありません。

▶ 精液検査の基準値について

WHOの基準値は、精子の状態を評価する際の一つの目安です。
実際の妊娠可能性は、男性側だけでなく女性側の年齢や排卵、卵管、卵子、性交・治療のタイミングなど、さまざまな要素を合わせて考えます。


WHOの精液検査基準値|2021年版

精液検査では、WHO(世界保健機関)の「WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen 6th edition(2021年)」が基準の一つとして参考にされています。

主な項目の基準値は以下の通りです。

検査項目 WHO 2021 下限基準値 何を見ている?
精液量 1.4 mL 1回の射精で出る精液の量
精子濃度 1,600万/mL 精液1mL中の精子数
総精子数 3,900万/射精 1回の射精に含まれる精子の総数
総運動率 42% 動いている精子の割合
前進運動率 30% 前へ進む運動をする精子の割合
正常形態率 4% WHOの基準で正常な形と判定される精子の割合
生存率 54% 生きている精子の割合

※WHO 2021年版では、これらの値は妊娠に至った男性集団の精液所見をもとにした「下位5%の基準値」です。個人の妊娠可能性を直接判定する境界値ではありません。

「基準値を下回った=不妊」ではありません

ここは非常に重要なポイントです。

WHOの基準値を下回ったからといって、
「自然妊娠できない」「男性不妊である」
と判断できるわけではありません。

精子の数や運動率、形態にはもともと個人差があり、さらに体調や禁欲期間、発熱、ストレスなどによって検査結果が変動することもあります。

また、妊娠は男性側の精子だけで決まるものではありません。

  • 精子の数
  • 精子の運動性
  • 精子の形態
  • 女性側の年齢
  • 卵子の状態
  • 排卵や卵管の状態
  • 性交や治療のタイミング

など、さまざまな要素が関係します。

精液検査で一番大切なこと

「基準値を満たしているか」だけで判断しないこと。

精子の「数・動き・形」を総合的に見ながら、必要に応じて再検査や男性不妊専門医による評価を受けることが大切です。

なお、「奇形率」という表現をすることがありますが、精液検査では「正常形態率」として評価されることが一般的です。

WHO 2021年版の正常形態率の下限基準は4%です。

これは「96%が異常だから妊娠できない」という意味ではありません。精子の形態評価は非常に厳格な基準で行われるため、正常形態率だけで妊娠の可能性を判断することはできません。


精液検査は「3つの数字」をセットで見る

精液検査の結果を見るときに重要なのが、

「数・動き・形」

の3つを総合的に見ることです。

① 数

精子濃度や総精子数を確認します。

② 動き

総運動率や前進運動率を確認します。

③ 形

正常形態率を確認します。

例えば、

  • 数は少ないけれど運動率は良い
  • 数は十分だけれど運動率が低い
  • 数と運動率は良いけれど正常形態率が低い

など、さまざまなパターンがあります。

そのため、「精子が少ない」という一言だけでは、本当の状態は分かりません。


精子の数が少ない場合に考えられること

精子濃度や総精子数が低い場合には、さまざまな原因が考えられます。

  • 精巣での精子形成の問題
  • ホルモン環境の問題
  • 精索静脈瘤
  • 感染症などの影響
  • 喫煙・飲酒などの生活習慣
  • 肥満や過度な体重減少
  • 睡眠不足
  • 強いストレス
  • 発熱や体調不良
  • 薬剤などの影響

ただし、精液検査だけでは原因まで特定できないこともあります。

数値に明らかな異常がある場合には、泌尿器科などで男性不妊の専門的な評価を受けることが大切です。

▶ 特に注意したいケース

精子の数が極端に少ない、何度検査しても異常が続く、精子がほとんど確認できないなどの場合は、自己判断せず専門医へ相談しましょう。


精子の運動率が低い場合は?

運動率が低い状態は、一般に精子無力症などと呼ばれることがあります。

精子が卵子まで移動するためには運動性が必要なので、運動率や前進運動率は重要な指標です。

ただし、運動率も日によって変動します。

例えば、

  • 発熱後
  • 睡眠不足が続いたとき
  • 強い疲労があるとき
  • 禁欲期間が長すぎる場合

などでは、一時的に結果が変化することがあります。

そのため、1回の結果だけで判断せず、必要に応じて再検査を行うことが重要です。


精子の形が悪いと妊娠しにくい?

正常形態率が低い場合も、すぐに「妊娠できない」と考える必要はありません。

精子の形態にはもともと大きな個体差があり、精液中にはさまざまな形の精子が存在します。

また、自然妊娠では精子の中から卵子まで到達し、受精に関わる精子が選ばれていくため、精子全体がすべて正常な形である必要はありません。

一方で、正常形態率が極端に低い場合や、他の検査項目にも異常がある場合には、男性不妊専門医による評価が重要になります。


精子の状態は生活習慣でも変わる

精子は一度作られたら一生変わらないものではありません。

精子形成には時間がかかるため、日々の生活習慣が将来的な精子の状態に影響する可能性があります。

特に意識したいのが、

  • 睡眠
  • 運動
  • 食生活
  • 体重管理
  • 喫煙
  • 飲酒
  • ストレス

です。

睡眠

睡眠不足が続くと、自律神経やホルモン環境にも影響する可能性があります。

まずは睡眠時間を確保し、生活リズムを整えることが大切です。

運動

適度な運動は血流や代謝の維持に役立ちます。

ウォーキングや軽い筋力トレーニングなど、無理なく継続できる運動を取り入れましょう。

食生活

特定の食品だけで精子の状態が劇的に改善するわけではありません。

たんぱく質、野菜、果物、魚、良質な脂質などを含むバランスの良い食事を基本にしましょう。

喫煙

喫煙は精子の数や運動性などに悪影響を与える可能性があります。

妊活中は禁煙を検討することが重要です。


精巣を温めすぎないことも大切

精子を作る精巣は、体温より少し低い温度が適した環境とされています。

そのため、

  • 長時間の高温環境
  • 長時間のサウナ
  • 膝上での長時間のノートパソコン使用
  • 過度に蒸れやすい環境

など、精巣を長時間高温にさらす習慣には注意が必要です。

ただし、日常生活の中で過度に神経質になる必要はありません。

「長時間・頻繁に温め続けない」という程度に考えるとよいでしょう。


男性不妊と血流・自律神経

男性不妊を考えるとき、精子そのものだけでなく、精子を作る身体の環境にも目を向けることが大切です。

精巣では精子形成が行われており、その機能には血流やホルモン、自律神経などさまざまな身体の仕組みが関係しています。

妊活中は、

  • 慢性的な疲労
  • 睡眠不足
  • 運動不足
  • 強いストレス

などが重ならないよう、身体全体のコンディションを整えていくことが大切です。


男性不妊に鍼灸でできること

男性不妊に対する鍼灸では、精子そのものを直接「増やす」というよりも、身体全体のコンディションを整えることを目的として行います。

  • 自律神経の調整
  • 全身の血流改善
  • 睡眠や疲労状態のサポート
  • ストレス軽減
  • 生活習慣改善のサポート

などが考えられます。

ただし、鍼灸だけで男性不妊の原因を治療できるわけではありません。

精液検査で異常が見つかった場合には、必要に応じて泌尿器科などで原因を調べながら、西洋医学の治療と並行して身体のコンディションを整えるという考え方が大切です。


精液検査で異常があったらどうする?

まず大切なのは、1回の検査結果だけで落ち込みすぎないことです。

精子の状態には変動があるため、医師の判断によって再検査を行うことがあります。

そして、異常が続く場合には、

  • 男性不妊専門医への相談
  • 泌尿器科での診察
  • ホルモン検査
  • 超音波検査
  • 必要に応じた精索静脈瘤などの評価

などを検討します。

精液検査で大切なのは「結果を知ること」だけではありません。

なぜその結果になっているのかを考えることが、次の一歩につながります。


よくある質問(FAQ)

精子の数が少ないと自然妊娠は難しいですか?

精子数が少ないほど自然妊娠が難しくなる傾向はありますが、少ないからといって自然妊娠できないとは限りません。精子の運動性や女性側の状態なども含めて総合的に判断します。

運動率が低いと妊娠できませんか?

運動率が低い場合でも妊娠する可能性はあります。特に前進運動率や総精子数など、複数の項目を合わせて評価することが重要です。

奇形率が高いと言われました。妊娠できますか?

奇形率が高いことだけで妊娠できないと判断することはできません。正常形態率、精子数、運動率などを総合的に確認する必要があります。

精液検査は1回だけでいいですか?

精子の状態は体調や禁欲期間などによって変動するため、検査結果によっては再検査を行います。医療機関の指示に従ってください。

精子の質を改善するには何をすればいいですか?

睡眠、適度な運動、バランスの良い食事、禁煙、飲酒量の見直し、ストレス管理など、生活習慣を整えることが基本です。また、検査で異常が続く場合は男性不妊専門医への相談が大切です。


まとめ|精液検査は「数」だけで判断しない

精液検査では、

  • :精子濃度・総精子数
  • 動き:運動率・前進運動率
  • :正常形態率

を総合的に確認します。

そして最も大切なのは、

「基準値を満たしているか」だけで判断しないこと。

精液検査の数値は、男性側の妊娠しやすさを考えるための重要な情報ですが、妊娠は男性・女性双方のさまざまな要素によって決まります。

もし検査結果で気になる数字があったとしても、その数字だけで未来を決めつける必要はありません。

原因を確認し、必要な治療を受けながら、生活習慣や身体のコンディションを整えていくことが大切です。


男性不妊についてさらに知りたい方へ


精液検査の結果が気になっている方へ

「精子の数が少ないと言われた」
「運動率が低かった」
「奇形率が高くて不安」

精液検査の結果を見ると、不安になってしまう方は少なくありません。

ただ、精子の状態は数・運動性・形態だけでなく、睡眠、疲労、ストレス、生活習慣など身体全体の状態とも関係しています。

当院では、男性不妊の治療そのものを行うのではなく、医療機関での治療と併用しながら、自律神経・血流・疲労・ストレスなど身体全体のコンディションを整える鍼灸を行っています。

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※無理な勧誘は一切ありません


妊活専門鍼灸師 細谷俊平

細谷俊平

妊活専門鍼灸師


東京鍼灸京橋骨董通り

国家資格を持つ鍼灸師として、不妊治療・体外受精周期の身体づくりを専門に臨床を行う。
採卵周期・胚移植周期のサポート、子宮・卵巣血流、自律神経調整などを中心に妊活鍼灸を実施。

西洋医学の不妊治療と東洋医学を組み合わせ、妊活中の身体のコンディションを整えるサポートを行っている。

資格:はり師・きゅう師(国家資格)

専門分野:妊活鍼灸 / 不妊治療サポート / 男性不妊サポート / 体外受精周期ケア

所属:東京鍼灸京橋骨董通り


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