東洋医学

舌の裏側が青紫色だと要注意‼以外と多い、瘀血(おけつ)について解説

はじめに

瘀血(おけつ)の文字を目にした方も多いのではないでしょうか!?
瘀血は東洋医学的にみて、何かしらの要因で血流が悪くなり、徐々に体に悪い成分が溜まり重なった状態のこと。『汚れた血』と捉えて頂けたと思います。
厄介なことに汚れた血は、様々な症状を引き起こします。
代表的なのは、重い月経痛や頭痛、手足の冷え、慢性的な疲労や肩こり腰痛です。また、不妊の要因の一つとして挙げられます。
そこで、今回は厄介な瘀血について解説をしていこうと思います。

ちょっと東洋医学について

まず、瘀血をイメージするために、東洋医学の考え方について少し解説していきます。
東洋医学には、大前提として【人間は自然と同じである】という考えがあります。
例えば、温かい空気は上に上がり、冷たい空気は下に溜まると言った形です。
同様に、身体では頭の方に熱が出やすく、足元は冷えやすいとなります。
熱くもなく寒くもない、全てが均一に保たれた状態を「平」と言い、健康で問題のない状態を指します。
このように「平」が理想です。ただ「平」を保つためには「血流」が大切で、血液の流れを生み出すために「気」が必要になります。
「元気」は丹田から!! と良く言われますが、まさに「気」の「元(もと)」が弱った時に、血液を巡らせる力も弱くなるため、瘀血が溜まっていきます。

東洋医学のイメージの流れ

先程の、気が弱ったときに瘀血が発生する一連の流れとして

・気が弱る⇒血流が悪くなる⇒排出されるはずの悪い成分が溜まる⇒『瘀血』になる


このようなイメージです。以外とシンプルだと思います。

東洋医学は目に見えない部分の説明が多いのでわかりにくいですが、人間は自然と同じという点では、シンプルな考えです。

例を挙げると、「水」の流れは

・雨が降り⇒徐々に川に集まって⇒海に注ぐ⇒一部は蒸発して⇒再び雨になる

これを身体で考えると

・のどが渇いて水を飲む⇒腸から水分が吸収される⇒全身を巡る⇒
腎臓を通って、再利用と一部排出⇒のどの渇きを脳に伝えて水を飲む

身体にとっての雨は、水を飲むこと。雨が染み込む場所が腸で、腸の毛細血管(小川)から血管(川)へ。全身を巡り、やがて腎臓(海)に集まります。腎臓は一部を尿として排出、水が足りなくなった時に脳へ指令を送って雨を降らせる(水を飲む)。

以上の様になります。
しつこいですが、東洋医学は【人間は自然と同じである】という思想です。私自身も勉強しはじめた頃は分からないことばかりでした。
言葉も、理論も、理解しにくい部分が多いと思うのですが、イメージ力がモノを言う分野であると結論に至ります。ぜひ、イメージ力全開で以下を読んで頂けたらと思います。

『気』『血』『水』と瘀血

では、本題です!!
「水」が入ることで「血=(栄養を含んだ血液)」を潤します。血液を動かす元である「気」が十分であれば「血流」が生まれ、身体の中を循環します。
この『気』『血』『水』
バランスが非常に大切で、互いが互いを支えあいながら身体の調子を整えており、この3つのバランスが十分な時に初めて「平」となります。

「平」が乱される要因として、例えば身体の歪みがあった場合

①身体の歪み(骨盤の歪み)が、川を堰き止めて「血」と「水」の流れが悪くなります。↓

「水」の川側は溢れて、やがて浮腫になります。堰き止められた側は水量が減り「血」の流れは悪化します。やがてゴミが堆積し始めドロドロに。↓

「血」がドロドロ傾向でも「気」は何とか血流を維持しようと働きます。
助けが必要なので、身体中から「気」を集めます。
ただ、養ってくれる「血」がドロドロで「気」は渋滞しやすく、(気滞)
渋滞した先には、なかなか「気」が届かないため、徐々に弱っていきます。(気虚)

④上記の状態が続くと「気」がますます弱り、ついには血流を生み出せなくなります。その結果「血」はドロドロを増して、流れがなくなった部分には更にゴミが溜まっていきます。↓

⑤悪循環の末「瘀血」が発生します。

もし、身体の歪みがなかったとしても、「水」が足りなければ②以降の流れで同様に瘀血が発生します。
また「血」に問題がなかったとしても、食事内容が悪く「気」自体を作ることができなかったり、気疲れ・気を病む・気が滅入るなど「気」が作用しなくなると、これも瘀血の元になります。

つまり『気』『血』『水』の
一つでも不足すると、瘀血が発生します

その為、当院では瘀血対策も加味して、骨盤の歪みを整えること、水を積極的に飲んで頂くこと、気持ちの良い施術を意識しております。
骨盤セルフチェック
妊活は水を飲むところから!

症状とチェック項目

さて、悪さを引き起こす瘀血。汚れた血なので「色」がサインに出やすいのが特徴です。
肌の色がくすんでいたり、口の周りを縁取るような黒いライン。舌の裏側を見ると青紫色の血管が浮き出ているなどです。
また、瘀血は下腹部辺りに溜まるため、下腹部を押して硬かったり、痛みがあれば瘀血があるサインです。

【症状】
・肌がくすむ、肌荒れ
・慢性的な疲労感や肩こり・腰痛
・頭痛、腹痛持ち
・あざができやすい
・重い生理痛・月経血に塊が混じる

【色】
・顔色が悪い
・口の縁が黒い
・歯茎が黒い
・手足に紫色の血管が浮き出ている
・下の裏が青黒い~紫色
・月経血が黒っぽい

【チェックポイント】
・大巨周辺の硬さと圧痛

臍から斜め45°下約3cmのツボで、硬さや痛みがあれば反応あり!瘀血が溜まっているサインです。

対処法

『気』『血』『水』のバランスが崩れたときに、瘀血が発生するとお伝えしました。

と、いう事は上記のバランスを整えることが何より大切です!対処法はシンプルで

『気』『血』『水』=【食事】【運動】【休養】

【食事】『気』『水』を補い、適度な【運動】『血』を動かします。適切な【休養】を取ることで、全てを整えます。【食事】が加工された食品や添加物が多いものを食べ続ければ、身体の中に溜まり、瘀血になります。

特に、トランス脂肪酸など悪い脂や、タバコに含まれるタールは粘度が高く、頑固な瘀血(汚血)になりやすい傾向があります。⇒妊娠するアブラ⁉オメガ3脂肪酸

ですので、意識をして健康的な【食事】を取り、しっかり水も飲むことで養生していきましょう。
また【運動】は日常生活の中で、つま先立ちをしてみる、片足立ちをしてみる、物を拾うときはスクワットなど、工夫次第で以外と運動量は増やせます。
時折、歩くときにももを高く上げてみたり、身体をひねる動きも良いでしょう。
【休養】は寝る前の携帯やPC操作、TV鑑賞を少し減らしてみましょう。起床時に朝日を浴びることも、概日リズムを整える上で大切になります。まずは1週間、続けてみましょう!
それでも瘀血がとれない方は、ぜひ治療にお越しください!!鍼や灸は非常に効果的です。

終わりに

様々な症状の元になる瘀血。普段からすっきりしない、何か調子が良くないという方や、生理痛が重い方はぜひ、ご自身の身体の中で起きていることのイメージをしてみてください。瘀血を退治してイキイキとした日々を目指しましょう!!

⇒この記事を書いたのは鈴木(大)

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