卵質改善には食事・栄養が大切です。ただ、それだけでは不十分で、食事・栄養を同等に運動や姿勢も大切になります。
その理由は、血流に大きく関わるため。運動不足は全身の血流不足に陥りやすく、猫背を代表とする不良姿勢は、内臓周囲の血流不足に直結します。
そうすると、卵巣に入る血液が少なくなり卵質が低下します。
せっかく食事や栄養がしっかり摂れても、卵質改善にはもの足りない部分も。
そこで、今回は卵質が低下しやすい姿勢と、卵質が改善しやすい運動について解説していきます。
卵質改善に向けて ~姿勢・運動~
栄養が十分でも、血流が悪ければ卵巣に栄養が届かず、卵質が悪くなります。
改善方法をするお伝えする前に、まずは卵質を悪くする(不妊リスクが高くなる)姿勢について、その後に改善方法の詳細をお伝えしていきます。
不妊リスクが高くなる姿勢
姿勢が崩れると、内臓の位置がずれたり、骨盤の歪みが発生して血流が悪くなります。
その代表が【猫背】です。
詳しくはこちらの下部をご覧ください⇒鍼灸はスピリチュアル?鍼灸・筋膜・不妊の関連性
猫背は背部だけでなく、骨盤が後傾(丸くなって)してしまい、子宮・卵巣のほか胃や腸もつぶれる姿勢になります。
私見ですが、猫背や骨盤後傾している方は姿勢が良い方に比べて、子宮内膜症を発症している傾向が高い印象を受けます。
また、脚を組む習慣は骨盤の捻じれ+後傾を併発しやすく、骨盤周囲の血流はさらに悪化します。
さらに、太ももが圧迫され下半身の血流も悪くなる影響で足の冷えにも繋がります。
長時間同じ姿勢を取りやすい仕事中や、ソファーでくつろぐ際は注意をしましょう。
ほかに、食事中に脚を組む方は胃下垂傾向にあり、腹筋群の緩みも影響して下腹部がポッコリしやすくなります。
猫背になる要因
猫背の多くは骨盤の後傾から発生します。骨盤はやや前傾しているのが正常です。後傾させる要因として以下が挙げられます。
- ハムストリングスの柔軟性低下
- 大殿筋の柔軟性低下
- 腹筋群の筋力低下
長時間デスクワークが続くと、坐骨に付着しているハムストリングス(裏もも)と大殿筋は圧迫され続けて血流が悪くなる上、柔軟性も低下します。
腹筋群は骨盤を正しい位置で支える働きがあります。
運動不足などで筋力が弱ると機能が低下してしまい、骨盤後傾を修正できずに正しい位置を保てなくなります。
猫背の改善に向けて
猫背改善に向けて、大切なポイントは大きく分けて2つ。
- 股関節周囲のストレッチ
- 腹筋群の強化
以上が挙げられます。
ストレッチの実践
骨盤後傾をさせている一番の問題であるハムストリングス、大殿筋をしっかり伸ばしてあげることが最優先になります。その後、猫背の要因を修正していきます。
①ハムストリングスのストレッチ
・浅めに腰かけ、伸ばしたい脚を伸ばします
・姿勢を正して上体を前に倒します
②大殿筋のストレッチ
・浅く腰かけ、伸ばしたい側の足を反対脚に乗せます
・胸をしっかり張り、上体を前に倒します
③背部のストレッチ
・姿勢を正して両手を伸ばします
・椅子や壁を使い、手を固定します
・状態を保ったまま上体を倒し、お尻を少し後ろに引きます
エクササイズの実践
骨盤の修正を行ったあとに、猫背になってしまっている背中と頭の位置を修正していきます。
その後、腹筋に刺激を入れて状態を維持していきます。
代表的なエクササイズである【タックイン】をお伝えします。
①タックイン
・普段の姿勢を取ります
・下を見るではなく、二重顎を作るように顎を引きます
・横から見て、耳の位置が肩の位置に来るようにします
・背中の中央に筋肉の収縮感を感じられていればOKです
②ダイアゴナル
・四つん這いの姿勢をとります
・タックインを行います
・片手を挙げ、挙げた手と反対の脚を挙げます
・その状態を3~5秒程度キープします
・側腹部、大殿筋、背部下部に収縮感を感じていればOKです
・バランスを取りながら手足を入れ替えていきます
・片側5回ずつを目安に開始、慣れに応じて回数を増やしていきましょう
余裕がある方は⇒参考 順天堂大学 女性のためのエクササイズプログラム
座り方について
上述のストレッチとエクササイズを行うと、少しずつ猫背の修正が行えます。
しかし、座り方が悪ければ台無しです。姿勢が乱れにくい座り方のポイントをお伝えします。
※座り方※
POINT:座面にお尻の穴より前が当たるように座る
・POINTを意識して浅めに腰掛けます
・タックインを行います
・腹筋に力を入れます
上体を意識して猫背を修正すると、長続きしません。
座面がどこに当たっているか、骨盤をコントロールした方が長く良い姿勢を保つことができます。
猫背の修正をした後は
猫背の修正ができたあとは、血流が良くなっている状態です。
子宮・卵巣にたくさん血液を送ってあげることで卵胞がしっかり育ち、卵質改善に繋がります。
- 姿勢の維持
- リラックス
- 血流を増やす
以上がポイントです。
具体例
姿勢維持にはジムエクササイズやピラティスがお勧めです。
これは、ジムにて負荷を扱う、ピラティスでコア刺激するなど、全体の筋力を保つことが姿勢維持に有効なためです。
リラックスにはストレッチやヨガが有効です。
柔軟性を保つためのエクササイズは、自律神経を整える効果があります。特に副交感神経が優位に働き、血流改善の作用で卵質改善に有効です。
血流を増やすにはジョギングが有効です。
ウォーキングも有効ではありますが、呼吸数と体温上昇、心拍数などを加味するとジョギングの方が有効です。
会話ができる程度のペースで、走り終わったあとに気持ちが良いと思える強度と距離が丁度良いです。
特に、PCOSの方は食後少し時間を空けてからジョギングを行うと、排卵しやすくなるので取り組めると良いでしょう。
終わりに
卵質改善には猫背が一番の遠回りです。姿勢の悪さを自覚している方は、まず姿勢改善に取り組みましょう。
姿勢の修正ができてから、エクササイズに励んで頂けたら思った以上の成果に繋がります。
嬉しい副産物として、ヒップアップやウエストも引き締まる効果が期待できます。食事・栄養とぜひ併せて取り組んでみて下さい。
併せて読みたい⇒卵質改善に向けての取り組み~食事・栄養編~
東京鍼灸京橋
新橋・日本橋エリアで働く鍼灸師です。PCOSや食生活改善に強みあり。授かりに向けて施術を行いつつ、不妊に悩む方に向けて妊活コラムを書いています。
コメント